Z社

急激な売上の変動により、資金繰りが不安定になる状況の回避


事業の現状と相談のきっかけ

●取扱い商品が季節商品のため、冬場に売上が急増し、社員総出で加工・出荷業務の山場を乗り切った。
●インターネットモールからの集金が1ヵ月以上先になることを考慮せず資金繰りをしていたところ、先に仕入支払の期日が到来した。支払先行したため急激に資金繰りが悪化したため、よろず支援拠点に相談があった。

ヒアリングによる課題の整理

●売上に季節変動があることと、販売の種類によって回収期間の変動があるので、売上管理だけでなく、資金繰り表による月々の収支と運転資金残高の管理が必要である。
●不足運転資金が生じるため、金融機関につなぎ運転資金の申請を行う必要がある。
●商品ごとの利益率把握が不十分である。

課題解決の提案・アドバイス

●ネット通販部門の広告費や運送費など付帯経費発生と決済のタイミング、売上入金の条件を把握した上で、資金繰り表を作成し、資金の流れを見える化して経営管理を行うことをアドバイス。
●資金繰りの見通しを策定した上で、金融機関にしっかりと情報開示して融資を申請する。
●商品ごとに積算して利益率を把握して、注力商品を検討。

取組み内容と成果

●資金繰り表を作成し、売上目標・実績と入金、支払のタイミングを把握し、運転資金残高をあらかじめ算定。毎月振り返りを行い、次月以降の販売戦略を立案出来るように管理を行った。なお、入金のタイミングが月二回あるため、集計は上旬と下旬で月二回行うようにして、精緻に管理を行うようにした。その結果、売上をどの程度で押さえるべきかという販売管理に繋がり、資金繰りと販売を関連づけて管理することが出来るようになった。
●上記の資料を金融機関にも提示したところ、元々の販売力も評価され、2つの金融機関から運転資金支援を受け、資金繰りの余裕が生じ、安心して経営に取り組むことができた。
●さらに、今後開発する商品の原価計算をきちんと積算し計算することで、機械の償却を踏まえて十分な利益が出ることを確認し、自信を持って販売につなげていくことが出来るようになった。


事業者の声

季節的な売上の変動で資金繰りが不安定になりましたが、資金繰り管理をすることで、運転資金が見える化でき、販売管理に繋がりました。

コーディネーターより

足元で売上が順調であっても、現金残高に反映しないケースは、特に資金繰りに不安を感じることになります。
資金繰り表を活用されて経営管理をうまく進めていただきました。

担当:永井コーディネーター